逃げ得(逃げとく)対策!
殺人被害の遺族に賠償金が払われない
逃げ得に話題になっています。
しかも遺族は裁判費用の負担などで
多額の借金を抱えるケースが多数。
法制度の欠陥による2重被害を受けています。
この状況を打破する対策で
ネットで提唱されている方法は4つ。
- 泣き寝入り
- 取り立て代行
- 成功報酬
- 差押え
どの方法が一番良いのでしょうか。
2次費用や回収にかかる時間も気になります。
ということで
逃げ得(逃げとく)対策
について調べてみました!
目次
被害者が裁判勝訴後も賠償金を得られない逃げ得(逃げとく)被害の実情
関テレで放送されたニュースの内容。
4年前の2月5日、和歌山県紀の川市で当時小学5年生だった11歳の男の子が、近所に住む男に殺害されました。
突然息子を失った家族には、経済的な負担が追い打ちをかけています。理不尽な現状を少しでも変えなければならない。家族は、自ら動き始めています。
2015年2月5日、和歌山県紀の川市の自宅近くの空き地で小学5年の森田都史くんが頭や胸などを刃物で切り付けられ、殺害されました。逮捕されたのは、近くに住む中村桜洲被告(26)でした。
一審で和歌山地裁は中村被告に懲役16年を言い渡し、現在は二審の大阪高裁で裁判が続いています。
一方、民事裁判では約4400万円の損害賠償命令が去年確定しています。しかし、中村被告から損害賠償を支払うという意思表示は全くありません。
そして、中村被告の家族も一審の懲役16年という判決のあとに一度家を訪ねて来た時以降、連絡はありません。
こういう賠償金滞納を逃げ得と呼びます。
実は一般的にあるケースで
事件被害者のほとんどが同じような状況との事。
特に殺人事件での損害賠償命令に対しては
96.6%が未払い。。
ネットでは殺したもん勝ち、
逃げたもん勝ちと言われていました。
ニュースの続き。
【森田都史君の父親】
「『一応(家に)来た格好だけしとかないといかん』という感じやから、とても納得できなかった。(家に)とても上がってもらうという感じじゃなかった」【森田都史君の父親】
「何もない。知らん顔やな。何にもないです」
(取材中にインターホンが鳴る)
「あれ、誰やろう」取材中、森田さんの家に一通の封筒が届きました。
届いたのは民事裁判の弁護士費用と、判決にかかる印紙代の請求書です。【森田都史君の父親】
「立て替え金の残高が21万400円。毎月5千円ずつ払っている」Q:この9万いくらが印紙代ですか?
「そうそう、うちが払わなあかん」
事件から4年が経った今、森田さんの生活に経済的な負担が重くのしかかっています。葬儀費用や弁護士費用など、事件に関する支払いは合わせて約200万円にのぼります。
さらに森田さんの給料は歩合制で、捜査への協力や裁判の準備のために休まなければならないため、収入がゼロの状態が続きました。
【森田都史君の父親】
「うちは“されている方”や。これ回収できるか分からんよ。今。相手から回収する見込みなしや。(費用が)かかるばっかりや。今。」出典:headlines.yahoo.co.jp※一部抜粋
賠償金が回収できないだけでなく
多額の費用負担も発生して
大体の場合遺族は借金漬けになります。
これに対して国や地方自治体の支援は
全くありません。
ここまでは犯罪による2次被害。
この他に実名報道によって
社会的に大きな不利益を被る
3次被害が発生する場合も多くあります。
文字通り全てを失うわけです。
被害者遺族なのに。
逃げ得(逃げとく)で一番一般的な対策、泣き寝入り
これに対して最もよくとられる対策は
あろうことか泣き寝入り。
理由は多くの被害者遺族が
別の被害者遺族に泣き寝入りを推奨するため。
これは後述する賠償金の回収が
ほとんど機能していないための不幸。
動けば動くほど金と時間と精神を消耗し
どんどんマイナスが大きくなっていくため。
それよりは地道な立て直しの方が
消耗が少なくて楽だという事のようです。
地道な立て直しはつまりこんな感じ。
- 裁判の借金などはあきらめて
ちょっとずつ返済する - 少しでも早く仕事を再開し
に日常に戻れるようにする - 自分の心と体のケアをする
などなど。
とてもつらく悲しいことですが。
実際に泣き寝入りを推奨するコメントは
このような感じです。
泣き寝入りするのが一番負担が少ない。
息子を交通事故で亡くしたが、車検切れ任意保険切れの違法改造車両だった。車検切れで違法改造なので任意保険は適用されないだろう。幸いに自賠責保険が有効であり、自賠責保険の範囲で幾らかは支払われたが、事故後の裁判や葬儀、心を病んだ妻の闘病で5年で尽きた。私自身も何とか業務上過失致死ではなく、もっと重い罪に問えないか動いていたので、仕事もろくにしてない時期もあった。加害者はまだ若く彼にも未来があると散々言われたな。反省して罪を背負って生きてくれればそれでよいとも思ったが、同じような車高を落とした車に乗っているのを見てしまった。
そんなもんだろう。加害者を行政が守ってるのだから。
俺の顔を見ると息子を思い出して前に向けないと言うので離婚した。少しでも生きるのに楽なようにと財産はあちらに渡した。
加害者は生活が戻るが被害者の生活は戻らないよ。
・・・辛すぎる。
読んでいて涙が出てしまいました。
逃げ得(逃げとく)対策、取り立て代行、成功報酬、差押え3つの比較
泣き寝入り以外で回収する方法を
簡単にまとめます。
方法というより全て関連性があって
同時に行える手段のような感じ。
取り立て代行
回収実績のある弁護士への依頼が一般的。
専門の弁護士は回収率を公開しています。
依頼する場合は裁判で
慰謝料が確定している事が必須条件。
大体は大都市にしか存在しないので
最初にネットで予約。
その後事務所に相談に行って
その場で回収率や回収方法を
細かく話し合うことができます。
料金は回収金額次第ですが
手付金で30万ぐらいはかかるっぽい。
もちろん成功時には追加報酬が発生。
しかも最初の相談にも2万ぐらい。
弁護士ではない取り立て代行のサービスも
ネットで数件見つかりました。
弁護士でなくてもそれぞれの分野の
専門の職種の人が対応する様子。
万能ではないし弁護士にしかできない
回収方法も多いので
本気で回収するなら弁護士一択でしょう。
成功報酬
弁護士に依頼した場合の報酬の支払い。
その中には完全成功報酬制
と呼ばれるものがあります。
手付金や相談料が発生しないタイプ。
こちらも回収専門の弁護士に依頼。
基本的には取り立て代行と同じ。
全額回収を約束するわけではなく、
回収した金額の30%ぐらい
支払う事も多いようです。
リスクが少ない分リターンもそれなり。
相談時には公表されている回収率が
一部回収なのか全額回収なのかも
聞いておいた方が良いでしょう。
差押え
差押えは法的手続きが必須ですが
最大の問題は見返りが少ないという点。
全て弁護士に任せることになるので
難しい点はありません。
費用は最低でも60万円。
正確な金額は内容によって変わるので
弁護士に相談するしかありません。
他の方法同様に賠償命令は必須。
判決前でも相手が罪を認めていれば
公正証書を発行してもらうことで
差押えの根拠に使用できます。
差押えに成功しても強制執行まで大体1年。
しかも差押えしてから競売に出して
買い手がついて取引成立してから
ようやくお金を受け取れます。
ここまででも結構大変ですが
これで得られる金額はほぼゼロと思ってOK。
というのもよっぽどの金持ちでなければ
差し押さえるものが全くないのです。
知人養育費の差し押さえに
あったことがありますが、
生活に支障が出るとして家も車も
差し押さえられませんでした。
調べたところ財産が現金66万円以下の場合は
預金すら差押え不可能との事。
殺人を犯す人は大体が無職や引きこもり。
預金なんてほとんどないでしょう。
つまり事実上差押えが無意味という事。
例外は積立保険や給与の差し押さえ。
高齢者が犯人の場合は高額の積み立てを
強制解約させて回収できます。
給与も最大半額まで
差し押さえることが可能。
犯人が執行猶予中だったら
差し押さえる価値はあるかもしれません。
逃げ得(逃げとく)対策で一番いい方法はなに?
私個人の感想ですが、
やはり泣き寝入りがベストなような気がします。
現行の制度に遺族が幸せになれるものが
ほぼありません。
泣き寝入り被害者たちの発言を見ると
とても心が痛みますが。。
幸せにならなくていいから
とにかく少しでも報復したい
という事であれば回収の方法を
片っ端から試すのが良いかも。。
個人的には国や自治体に
逃げ得有利で遺族が損する仕組みを
もう少し考え直してもらいたいと思いました。
人一人の命の喪失のダメージを
法制度で補填するのは不可能でしょう。
でもせめて有罪案件は裁判費用を犯人に請求し
その費用だけでも国が回収するぐらいは
現実的にできるのではないでしょうか。
逃げ得(逃げとく)対策についてのまとめ
以上いかがでしたでしょうか?
本日の内容をまとめてみると
このような感じです。
被害者が裁判勝訴後も賠償金を得られない逃げ得(逃げとく)被害の実情
逃げ得(逃げとく)で一番一般的な対策、泣き寝入り
逃げ得(逃げとく)対策、取り立て代行、成功報酬、差押え3つの比較
逃げ得(逃げとく)対策で一番いい方法はなに?
本日の内容をまとめてみると
このような感じでした。
少しでも皆さんの話題作りの
お役に立てたらうれしいです。